たとえ私が あなたの世界の景色だったとしても

23時になれば
窓を開け東南の空を見る


静まり冷えきった空気が
微かに伝えるエンジン音
雲の流れに見え隠れする主翼のランプ


最終フライト


もたげた胴体を彼方へと向け
闇が不明にさせる軌跡
遥か遠く
ランプイン出来る港を目指す





師走とはよくいったもので
畳みかけるようにここから先
慌ただしく行き過ぎようとしていくこと
年末番組なんかを観ていると余計に思ったりするね。
ついこないだ流行ってた歌が
既に過去のものとして遠くに感じる。


今年という一年はどういう一年でしたか?


此処にいるっていうことは
思うままに描ききれなかったってことか。
“今年は”
年の初めに願い祈ったことですら
思い返せなくなってる。
届きそうに思って手を伸ばす
夢から覚めて現実を知る
振れ幅が大きければ大きいほど
その反動も大きく打ちのめされる。


うん、でも今年はもう終わるよ。


ともかく終わる。
また、新たな年を迎えようとしている。
“来年は”
何も見えなくても可能性見出せなくても
期待すればいい。
夢を描いて前を向いて
かじかむ手に息を吹きかけ
和らぎ温まった瞬間に少し微笑む。
せめて年の初めぐらい
せめて新たな一年を迎えるときぐらいは…