見えない星

少し目を離すと見失う
選ぶのに夢中で棚から棚


本が好きやったね


あっちの列こっちの列
姿求めて探し回る


本を手にし読む後姿


一呼吸置いて声掛ける
「何かいいのあった?」


本が好きやったね


本屋に立ち寄ると
探し出そうとしてしまう今も


懸命になってる後姿


その光景好きやった
大勢の中から見つけ出す
自分だけが知り得る存在


本が好きやったね


偶然いるんやないかと
探し出そうとしている今も





[ CINEMA ] 変身


原作に傾倒してる人らにどうやら不評らしいけど
原作は原作の良さ
映画は映画の良さであって
互いにそれ以上に昇華してるものもあれば劣るものもありで
テレビドラマとて映画を凌ぐものも多数ある。
要は何を感じ何を受け取ったか
自分の場合ひとつでも光り何かを感じさせてくれれば
それで充分良作に価する。


前半のベタな恋愛初期のありがちシークエンスが清々しく心温める。
ひとえに主役の二人、玉木宏蒼井優の醸す雰囲気、演技力の成せる業。
「のだめ」の玉木もええけど「雨鱒の川」や本作で魅せる朴訥とした青年役が玉木は一番やね。
別人格に変わっていく様も、葛藤をうまく演じている。
蒼井優ちゃん。
最近では清潔な色気なんか出てきたけど本作2005年時点では
まだ表情や仕草にあどけなさが残る。
でも何やろ。
この子はほんまオーラを発してるね。
線が細いのに有る存在感。
うん、その透明感がすーっと心に沁み込んでくるような感じ。
そして心を浄化させる。
何かやっぱり持ってるものなんやろね。
昔、自分も師匠に言われたな「役者は最終的には“心”よ」と。
歌でも何でもそう。
最終的には“心”であると思いたいし、そうであること願いたいね。
そんなわけで蒼井優ちゃん出てるだけで私的に良作。
彼女の持つ“心”に触れられるんやから。
韓流ドラマ映画を彷彿させる演出も音楽も全てをそれにてカバーリング
原作を108分で語るにはこんなもんやろうよ?







つめたい独りの夜
あなたがくれた言葉想う
どれくらい会えない時間を
また埋められるだろう