LEGEND - katchaman/code

[はてなハイク考]
死んだ父親は絵が上手かった。
中学を卒業時に担任の先生に
美術学校へ進むよう薦められたと聞く。
家が貧しく
というか複雑な家庭に在った父は結局進学せず
集団就職という形で西陣織の織屋で働くこととなる。
そこで母親と知り合い自分が生まれるわけやけど
幼少時、父親はよく自分に絵を描いてくれた。
折込チラシの裏や
缶の蓋やら
拾ってきた廃材で作ってくれた積み木等に。
みかんの皮に描いてくれたこともあったな。
描いてる横で出来上がっていく様子を眺め
何だかわくわくするような感覚に捉われていたこと思い出す。

やはり血が成せる業か
自分も絵を描くのが好きだ。
いや、絵ではないな。
落書きか。
道路や壁や柱
一人で遊ぶ時は至る所に無心で描いていた。
学校へ行くようになれば
教科書は勿論、机の上や階段の手摺やトイレ
とにかく描くものを手にしている時であれば
そこらじゅうに衝動的に描いてたように思う。

かと言って
完璧に血を受け継いだとは思えない。
小さい頃に何度か絵で賞やなんかをもらったこともあるけど
字も上手だった父親に比べ
字は下手であるし、絵は到底及ばない。
でもね。
落書きしてると無心になれる。
描いてるときは何も考えずに済む。
ハイクでお絵描き。
くっだらなくて下品で単純な絵しか描けないけど
もう何年と描くという行為すら忘れていた自分を気づかせ
描くという行為で現況から救われていたりすることに
感謝の意を示すべく、ここに記す。

自分が成人してからは
父親が絵を描く姿を見たことが無い。
定年後の余生
もう少し長生きしていてくれてたら
もしや
描くという行為を思い出してくれていたかもしれない。
子供たちのために犠牲にしてきた自分自身を取り戻してくれたかもしれない。
もう一度
父親が描く姿を見てみたかった。
もう一度
父親が描く絵を見ていたかった。

流れる血
もしかすれば
描くことで無心になれるのは
生きるため
乗り越えるために
父親が遺してくれた術なのかもしれない。

淡いオレンジの髪揺らいで
遠く君が見えた気がして
辺り見回すけれど　
知ってる
ここに居る筈も無い事は

胸を切り開いて
思い出を眺め
ずっと忘れず生きて行く方がいいの？

君は夢で泳いでる
人魚になれたから
眠りについた私を案内してよね

君は夢で泳いでる
人魚になれたから
幼い頃に見ていた夕日で溶かしてよ

ほんで貼んのは
こんな糞な落書き
まあ
低レベルゆーこっちゃね（去る日のハイクエントリーより再掲）。

流れる血
もしかすれば
描くことで無心になれるのは
生きるため
乗り越えるために
父親が遺してくれた術なのかもしれない。

淡いオレンジの髪揺らいで
遠く君が見えた気がして
辺り見回すけれど　
知ってる
ここに居る筈も無い事は

胸を切り開いて
思い出を眺め
ずっと忘れず生きて行く方がいいの？

君は夢で泳いでる
人魚になれたから
眠りについた私を案内してよね