ORION

幼い頃
頻繁に見る夢があった。
幼いながら
その翌朝は
不安な気持ちで一杯になった。



季節は冬
周りに見える煌びやかな飾り付けや
イルミネーションからクリスマス前後なんだろう


人の波に逆行するように走る自分がいる
強烈な焦燥感
幼い身長が行く手を遮り人にぶつかり
叫びたい衝動を抑えながら走る


家路を急ぐ暖かなコートの人
肩寄せ合い笑顔の恋人たち
賑やかな喧噪の中
誰もその小さな存在に気づかない


ふと気づくと
暗闇のビル群
静けさの中立ち尽くす
何故か導かれるように
ビルの谷間の路地の奥へと進む


顔を上げると
突然そこに夜の田園地帯
遠く民家の灯りが点在し
胸を撫で下ろす


灯りに向かって踏み出す
足裏に土の感触
一軒の民家を目指し
農機が納められた小屋へと忍び込む


高く積み上げられた藁の束
急激に催す眠気
包み込まれるように藁へと倒れ込む

瞼を閉じると
それまで全ての感情が消え
安堵の表情
微かに笑みを浮かべながら
涙を流し
深く深く眠る



急に寒くなったね。
冬の気配さえ感じる今日
仕事からの帰り
雑踏の駅の改札を抜け
何故だか立ち止まり振り返る。
背を向け家路へ急ぐ人たち。
脳裏にその夢が浮かぶ。
暗示
夢が現在を指し示していたことに気づく。


息が冷たくなる帰り道に
ただ星が揺れている
確かめたばかりの淡いぬくもりさえ
もう忘れそう
人を好きになれることに初めて気づいた今は


泣いたのは僕だった


つながった冬の星座
この空に消えていかないように
見つめていたんだよ
I Believe










幼い頃
頻繁に見る夢があった。
幼いながら
その翌朝は
不安な気持ちで一杯になった。



季節は冬
周りに見える煌びやかな飾り付けや
イルミネーションからクリスマス前後なんだろう


人の波に逆行するように走る自分がいる
強烈な焦燥感
幼い身長が行く手を遮り人にぶつかり
叫びたい衝動を抑えながら走る


家路を急ぐ暖かなコートの人
肩寄せ合い笑顔の恋人たち
賑やかな喧噪の中
誰もその小さな存在に気づかない


ふと気づくと
暗闇のビル群
静けさの中立ち尽くす
何故か導かれるように
ビルの谷間の路地の奥へと進む


顔を上げると
突然そこに夜の田園地帯
遠く民家の灯りが点在し
胸を撫で下ろす


灯りに向かって踏み出す
足裏に土の感触
一軒の民家を目指し
農機が納められた小屋へと忍び込む


高く積み上げられた藁の束
急激に催す眠気
包み込まれるように藁へと倒れ込む

瞼を閉じると
それまで全ての感情が消え
安堵の表情
微かに笑みを浮かべながら
涙を流し
深く深く眠る



急に寒くなったね。
冬の気配さえ感じる今日
仕事からの帰り
雑踏の駅の改札を抜け
何故だか立ち止まり振り返る。
背を向け家路へ急ぐ人たち。
脳裏にその夢が浮かぶ。
暗示
夢が現在を指し示していたことに気づく。


息が冷たくなる帰り道に
ただ星が揺れている
確かめたばかりの淡いぬくもりさえ
もう忘れそう
人を好きになれることに初めて気づいた今は


泣いたのは僕だった


つながった冬の星座
この空に消えていかないように
見つめていたんだよ
I Believe