CRY NO MORE

出窓の窓を開いて
煙草に火を点ける
冷えた空気が流れ込む
近くに聞こえる虫の音
賑やかに騒ぐテレビ番組に背を向け
煙を吐く

止められていた喫煙
すっかりと解禁した指先を見つめる
高校のグランドのネット越し高架上を行く新幹線
家々から洩れる窓の灯り
国道を走る車のエンジン音


「もう寝ただろうか…」


そこからも見えるはずの景色
駅向こうの高層ビルに点滅する赤色灯
風に乗って聞こえてくる電車の警笛音
星の見えない曇り空
呟きかけた言葉呑み込み
煙草を揉み消す

瞼に浮かびかけた眠る姿を
無理に掻き消すよう
窓を閉めた





<別記>


朝、出勤前に会社近くのいつもの自販機で
無糖の缶コーヒーを買う。
いつも通りに120円を投入し
いつも通りの位置のボタン押す。
取り出し口から出そうとして
目が覚めるほどの熱さに驚く。
もうホットになってやがる。
まだ早いやろ。
こういう小さな、ついてなさが
大きく影を落としたりするから厄介だ。
何となく嫌な気分振り払おうと
教えてもらった処方術。
「生きることは消費すること」
仕事中に服屋に立ち寄り物色。
ウェスタンシャツとロングTシャツ二枚買う。
消費活動そのもので気分が晴れはしないけど
新たに購入したものを着て颯爽と歩けば
少しずつ
前を向き歩いていけるような気がした。












出窓の窓を開いて
煙草に火を点ける
冷えた空気が流れ込む
近くに聞こえる虫の音
賑やかに騒ぐテレビ番組に背を向け
煙を吐く

止められていた喫煙
すっかりと解禁した指先を見つめる
高校のグランドのネット越し高架上を行く新幹線
家々から洩れる窓の灯り
国道を走る車のエンジン音


「もう寝ただろうか…」


そこからも見えるはずの景色
駅向こうの高層ビルに点滅する赤色灯
風に乗って聞こえてくる電車の警笛音
星の見えない曇り空
呟きかけた言葉呑み込み
煙草を揉み消す

瞼に浮かびかけた眠る姿を
無理に掻き消すよう
窓を閉めた





<別記>


朝、出勤前に会社近くのいつもの自販機で
無糖の缶コーヒーを買う。
いつも通りに120円を投入し
いつも通りの位置のボタン押す。
取り出し口から出そうとして
目が覚めるほどの熱さに驚く。
もうホットになってやがる。
まだ早いやろ。
こういう小さな、ついてなさが
大きく影を落としたりするから厄介だ。
何となく嫌な気分振り払おうと
教えてもらった処方術。
「生きることは消費すること」
仕事中に服屋に立ち寄り物色。
ウェスタンシャツとロングTシャツ二枚買う。
消費活動そのもので気分が晴れはしないけど
新たに購入したものを着て颯爽と歩けば
少しずつ
前を向き歩いていけるような気がした。