ヨンヒャクハチジュウジカンノキロク

不思議と涙は出なかった
弱りきった涙腺の持ち主で有るに拘らず
動悸の激しさ胸が痛かった
立って居る事さえ辛かった
眠る事でやり過ごそうとした
眠れなかった
居ても立ってもいられず彷徨った
何も見出せない月のきれいな夜
瞬く星に急激に泣けてきた
意味を失った
目的を失った
価値を失い
未来を失い
過去を失い
自身を失った


仕事を休む
他の何も手に付かない
朦朧とする
他の何も考えられない
精神が身体まで浸食する
気がおかしくなる
限界
そう感じた
全てを失った
そう感じた


自らの意思で医院を訪れる
ぎりぎりの所で思考出来た選択
診断を受け止め処方された薬を服む
何日かぶりに眠れた
よく眠った事を身体が告げていた
食事も取れた
酒も飲み少し酔えた
四日ぶりに仕事に行く事を決めた


変わらない朝
玄関を出た所で感じる喪失感虚無感孤独感
振り切るように一歩踏み出す
空を眩しいと感じる
ここから
何をすればいいのか
何か出来るのか
何をしようとしてるのか
とりあえず踏み出してみる


日々安定する
薬の効果か
それとも忘れつつあるのか
そこにも寂しさ感じつつ
時折襲う強烈な孤独感も
追われる仕事の中に埋没されていく


週末
一泊で旅行へ行った
生まれた町
静かな海
あてどなく砂浜を歩き
ここまでの人生振り返る
寄せる波
引く波
自身の中の何かが削ぎ落とされる
痛んでいたものが抜けていく


週明け
涼やかな風に季節を感じる
夏が終わって
秋になることを知る
やがて
冬が来て
春になって
また夏が来る
見上げた空
ちぎれちぎれに連なる雲
こうして生きていくんだな
こうしてまた生きていく
何処へ向かってかわからないままであっても…



不思議と涙は出なかった
弱りきった涙腺の持ち主で有るに拘らず
動悸の激しさ胸が痛かった
立って居る事さえ辛かった
眠る事でやり過ごそうとした
眠れなかった
居ても立ってもいられず彷徨った
何も見出せない月のきれいな夜
瞬く星に急激に泣けてきた
意味を失った
目的を失った
価値を失い
未来を失い
過去を失い
自身を失った


仕事を休む
他の何も手に付かない
朦朧とする
他の何も考えられない
精神が身体まで浸食する
気がおかしくなる
限界
そう感じた
全てを失った
そう感じた


自らの意思で医院を訪れる
ぎりぎりの所で思考出来た選択
診断を受け止め処方された薬を服む
何日かぶりに眠れた
よく眠った事を身体が告げていた
食事も取れた
酒も飲み少し酔えた
四日ぶりに仕事に行く事を決めた


変わらない朝
玄関を出た所で感じる喪失感虚無感孤独感
振り切るように一歩踏み出す
空を眩しいと感じる
ここから
何をすればいいのか
何か出来るのか
何をしようとしてるのか
とりあえず踏み出してみる


日々安定する
薬の効果か
それとも忘れつつあるのか
そこにも寂しさ感じつつ
時折襲う強烈な孤独感も
追われる仕事の中に埋没されていく


週末
一泊で旅行へ行った
生まれた町
静かな海
あてどなく砂浜を歩き
ここまでの人生振り返る
寄せる波
引く波
自身の中の何かが削ぎ落とされる
痛んでいたものが抜けていく


週明け
涼やかな風に季節を感じる
夏が終わって
秋になることを知る
やがて
冬が来て
春になって
また夏が来る
見上げた空
ちぎれちぎれに連なる雲
こうして生きていくんだな
こうしてまた生きていく
何処へ向かってかわからないままであっても…